何といっても種類豊富な漬物
日本では室町時代にすでに「香の物(こうのもの)」と呼ばれて存在を確立していた漬物は、地方の気候や習慣などにより自然の中の乳酸菌がおこす発酵が異なり、さらにその素材や漬け方も塩やぬか、酒粕、みそ、麹、しょうゆなど多岐にわたます。全国にはどれだけの種類の漬物があるのでしょうか?
呼び名は違えど世界でも
そもそも食材の安定供給のための保存食として存在する漬物は、世界各地に存在しています。
おなじみのキムチ、搾菜(ザーサイ)などアジアのものから、サワークラフトやピクルス、最近話題のスウェーデンのシュールストレミング(塩漬けニシン)やアンチョビも発酵食品の代表です。
日本では、しめ鯖やなれ寿司などは漬物の部類には数えず、野菜を材料とするものに限って漬物としているようですがいかがでしょう。
しぶとさでは植物性乳酸菌
面白いことに、チーズやヨーグルトのように限られた温度やph条件がそろわないと育たない動物性乳酸菌に比べ、単体では乏しい栄養価の野菜を素材とし、高い塩分濃度、低いpH(酸性環境)、ときには超低温という過酷な環境にさらされながらも生き残り、ようやく口に届く漬物のような植物性乳酸菌は、私たちに食べられた後も胃酸や胆汁酸に耐え、生きて腸までたどり着くと期待されているのです。