梅干の効用

殺菌作用と防腐効果
昔から言われていて、なんとなく「梅干は大丈夫なんだよね?」と思い込んでいる梅干パワーのおさらいです。
梅干は、有機酸による強い抗菌力で、胃液や胆汁液の殺菌作用を増強し、体外から入ってきた食中毒菌が増えるのを阻止します。
ここで大事なことは、梅干しの殺菌効果は人間の体内に入ってから効果を発揮する、食べてはじめて殺菌効果が得られということです。
お弁当の真ん中に梅干しを入れておくだけで、お弁当全部の食べ物に殺菌効果が期待できるわけではありません。防腐の効果も、お弁当全体が腐らなくなるわけではなく、梅干しに触れている部分の食品が腐りにくいという防腐効果です。

近頃の梅干
昔の梅干は塩とシソの葉だけで漬けていて、塩分は20%以上あり、顔をしかめるほど酸っぱいものばかりでした。もちろん常温でも腐りません。チーズやヨーグルトのように限られた温度やph条件がそろわないと育たない動物性乳酸菌に比べ、過酷な環境にさらされながらも生き残り、ようやく口に届く梅干の植物性乳酸菌は、私たちに食べられた後も胃酸や胆汁酸に耐え、生きて腸までたどり着くといわれてきました。
しかし現在市販されている梅干の多くは、世間の減塩志向に合わせて塩分濃度は8%ほどで、さらにハチミツ、甘味料、アミノ酸など調味料が加えられ、口当たりがやわらかくなっています。
そんな食べやすい梅干しには、殺菌効果や防腐作用はあまり期待できません。近年の酷暑には十分注意してください。

熱中症対策にも
熱中症対策の塩分摂取にも「水+塩」より「水+梅干」の方が効果が高いとの実験結果も発表されています。過剰な活性酸素の動きによって起こる酸化ストレスに対して、梅干しの抗酸化作用がそれを軽減する働きがあるのではと考えられているようです。
最近は手軽に食べられる乾燥梅干もたくさん出回っています。スポーツドリンクなどの味に飽きてきたら、ぜひ「お水と梅干」をお試しください。

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